September 05, 2013

秩序感と敏感期

 とてもいまさら、なのですがモンテッソーリの幼児教育って結構前から(20世紀初頭から)効果的といわれています。その骨子は、心の成長に大切な4ステップにありそうです。
?自分の自由意思での選択
?選んだものに続けて関わる
?選んだものに困難が生じた時、投げ出さないで全力で取り組む
?全力を尽くして乗り越え成し遂げる。
 一般には三歳ぐらいまでにこの体験をさせると安定した心を育むことができるといいます。
 私の身近にいる幼児はちょうど、この時期。ミスコピーの裏を使って、三角定規の中心部にある○の中を色鉛筆で塗り、三角定規で線を引く、という作業に没頭しています。三角定規をしっかり押さえないときれいな○にならず、まだまだ?の全力で成し遂げるをあじわっていないようです。(成し遂げたと自分で納得すると”おしまい”などと自分で区切りをつけるらしい)我が家にくると、ミスコピー紙をまとめたバインダー、三角定規、色鉛筆のセットをあちこちから集め、私にも参加するよう何度も何度も誘います。ふーん、そういうことか…と改めてモンテッソーリさんに共感です。ただし、この幼児がこの先、安定的な心を育むかどうかはまだまだ、長い目で見守ることですが。
 この幼児は、また秩序感にとてもこだわり、各人専用箸置き、パパが食べたお菓子の包み紙など、ちいさなことにも意思表示します。たとえばいつも使用する箸置きを気分で別なもので準備するとしつこく通常通りを要求する。お菓子の包み紙を私が捨てようとすると”パパの””パパの”と勝手に捨てちゃダメと。
 これは、所有物、場所、順序にこだわる秩序感というものらしい。秩序感は三歳前後が鋭敏。知性が働いてゆくと融通が利き薄れる。この秩序感が鋭敏な時期が片付け敏感期。ここでうまく秩序感と付き合えないと”片付けられない女”などができてきたりして…?!
 特に、一生に一度、強烈なエネルギーのあふれる時期があって、それは、敏感期と言われ、三歳から六歳ごろに体の感覚器官や運動器官が完成され、洗練されるときだそうです。この時期に良質の体験をするとその子の表面を覆っていた不調和な状態が消え、奥底に潜在した本来の可能性や善さが表れる可能性がある。
だから、必要なのは、この時期の良質な体験。感覚器官や運動器官をフルに使い洗練すること。および随意筋を意図どおりに自由自在に動かして自分の行動の主人公になること。自分のイニシャティブで選び、自分のリズムで行い、自分で責任をとること。自分の思いを言葉や体で表現すること。こうしたことを体験した幼児は、成長して心の成熟した大人になってゆく。
 なるほど!この時期にさしかかったもう一人の幼児もいるものですから、敏感期の体験をどんなふうにさせたらいいか…考え中です。
 自分の幼児期ははるか昔ですが、そういえば、深緑色クレヨンを1本全部使い切るほど塗った幼稚園時代の絵が、なんかのコンクール金賞でとても褒められたこと、それがその後の小さな自信になったことをかすかに感覚として思い出しました。
 新人研修や階層別研修、コミュニケーション研修などを年間たくさん担当しますが、最近目立つ、成績優秀なのに社会生活との不調和に悩む若い方々の根っこがこの6歳ごろまでにあったのか…エネルギーがあふれる敏感期をもう一度味わっていただく仕掛けはないか…模索しているところです。

 全国的に大雨や竜巻など不安定なお天気が続きますが、どうぞくれぐれも安全第一で。