November 22, 2009

11月の読書案内

このところ、ずいぶん寒さが増してきました。風の冷たさに早速毛糸の手袋を購入したところです。3連休中日、ちょっと忙しさも一息ですね。
 さて、今月の読書案内です。
?白樺たちの大正 関川夏央著 文春文庫  762円(税別)
 関川氏の著作は時々読んでいます。武者小路実篤や志賀直哉の時代を近代史上の大衆化、ポピュリズムの急先鋒と位置づける評論です。「新しき村」運動のことが、団塊世代のリタイヤ後の姿を追うTV朝日系の「人生の楽園」という番組に相通じるところが微かにあるように感じるのは私だけ?
?山田さんの鈴虫 庄野潤三著 文春文庫 552円(税別)
 「せきれい」を読み終わったあと、文庫化された他の庄野作品を手当たり次第買い求めています。就寝直前に毎晩数ページ、途中で眠くなり消灯…というパターン。先ごろ元宝塚の大浦みずき氏の訃報がありましたが、故阪田寛夫氏のお嬢さんで庄野作品には時々登場する方でした。本名の「なつめ」は命名者が庄野氏だったとか。作品中でしか存じませんが、なんだか旧知のかたのように感じます。ご冥福をお祈りします。
?鉄道廃墟 丸田祥三著  ちくま文庫 950円
かつて近代化や繁栄、利便性の象徴であった鉄道。全国の廃線となった跡地を写真のエッセイでつづっています。東北関連では、南部縦貫鉄道や松尾銅山関連の話がでています。辛口で暗然となる写真が多いですが、なんだかあまりにも無造作に捨て去られた巨大な廃墟に目を奪われてしまいます。
?世界の名景 地中海の光 ベスト50 河出書房新社刊
1600円税別
 寒くなってくると明るい光にみちた美しい光景への憧れが強くなります。キプロス、シナイ山、マルセイユ、カプリ島、アドリア海、クレタ島、ミコノス…輝く一瞬をあつめた明るく美しい風景の写真集。眼が洗われるように感じます。

 私のお仕事ロードマップは、11月いっぱいと12月初旬までぎっしり。岩手、山形、県内と近場が主ではありますが。お仕事に恵まれることは本当にありがたいことなので、できるかぎり励みたいな…。
 みなさま楽しい連休をお過ごしくださいね。

November 09, 2009

ベネフィットという満足

 ベガルタ仙台J1復帰良かったですね!7シーズンぶりって、毎年、来年こそとみんな待ちわび、早7年だったのですね。来年の仙台のスポーツシーンは、楽天とともに、ベガルタの活躍が楽しめそう!
 さて、ベネフィットですが、便益とも言われています。(便益ってなんかとってもこなれていない感じ)行政サービスに関しては、さらに知覚便益などとも表現されます。総合計画を策定するとき、市民や住民の知覚便益を基準に構築されたりします。
 因みに「知覚」とは、市民や住民が、他と比較して感じている状態のこと。
 知覚便益=投入(支払った価値)−受け取った価値という公式もあるようです。ここでは、便益が市民に理解され効用を発揮しているかどうかが問われます。
 さて、この便益=ベネフィットは、おおまかに3つの種類に分類されます。
?機能的便益…機能、効用、効果、性能
?情緒的便益…安心、親近感、快適性、爽快感
?自己実現的便益…達成感、役立ち、愛情

 極めて卑近な事例ですが、先日の山形出張の折、仙山線車窓からみた思いがけないほど美しい紅葉の奥新川、面白山高原の景観は、私にとって爽やかな感動を伴う情緒的便益と解釈することができます。さらに、本日はオランダで生産された薄サーモンピンクの大輪の芍薬の花が咲きすぎていて1本420円!大いに機能的便益を感じつつ2本購入し、リビングは、とっても華やかです。すると、快適&爽やかという情緒的便益をたっぷり感じます。まさに、支払った価値(840円)から受け取った華やか&爽やかさを差し引いても十分すぎるほどの満足が!
 少し前、鳩山首相の所信表明演説のなかに、国民がだれしも
?愛されて?褒められて?認められて?役立ちたいと感じる社会を友愛社会と考え、それを実現したいという趣旨があったようですね。わたくしは、具現化はとっても困難を伴うかもしれませんが、人間の尊重という満足の要をしっかりと考えておられるように、理解しました。
 秋の夜長、自己実現的便益を求めて、苦手分野の書籍に挑戦しようかな…

November 02, 2009

事業仕分けに事業評価結果を添付

 いま、事業仕分けが大変注目を集めています。本日付の日経新聞15面の「エコノ入門塾」欄にも、おおよその手法が紹介されています。
 事業仕分けは、行財政改革の手法として2002年に民間シンクタンク「構想日本」(東京・千代田区)が考案。市民も出席した公開の場で、行政が手がける個々の事業について、外部の視点〜本当に必要なのか、現在のやり方でよいのかを担当者との議論を通して洗い出す仕組みです。
 市町村の例でみると具体的には、次の5つの段階を準備しているようです。
?自治体側が精査してほしい事業を選び、事前に「仕分け人」=(外部の専門家)に資料を示す
?作業当日は市民が傍聴して、司会役と5〜7人の仕分け人、事業について説明する自治体担当者が1つのテーブルにつく
?担当者から事業の内容、目標、進捗状況を説明
?仕分け人が疑問点や改善点を指摘して議論 
?1事業に30分程度をかけ議論して、最後は仕分け人の多数決で結論に至る

 仕分け人は、自治体の現役職員や企業経営者が担当するとか。
 結論は、その事業が必要かどうかだけでなく、実施主体として最適なのはどこか、改善すべき点はないかなどを判断。しかし、結論に拘束力はなく、通常は仕分け結果をもとに自治体がさらに内部で議論を重ねる。
 効果として期待されるのは、職員の意識が変わる、経費が削減されること、行政の無駄を市民自ら考えるきっかけとなること。
政府は今後10年度予算の概算要求の無駄の洗い出しに事業仕分けを活用。国の事業整理がうまくいけば、国から市町村までの行政改革が一気に進む可能性もある。
(11月2日付け日経新聞15面ニュースマスターエコノ入門塾から抜粋。?〜?の箇条書き整理=ブログ作者)

 この手法で、1事業にかける仕分け時間が30分程度といいます。その時間内に事業説明に課題を指摘し、議論ののち結論に至る…タイトなスケジュールです。実施にあたっては、事業評価結果(上位目的、顧客、予算、行政介入根拠、目標、直接成果、間接効果、職員育成など)をそえて臨むことをオススメいたします。一覧して事業概要が見えやすいからです。ちなみに以前S市の行政評価を担当いたしましたが、指標の認定、目標値の認定などを認定委員会(事業仕分け的な位置づけ)でヒヤリングをしたときの1事業あたり平均所用時間もおおむね20〜30分でした。 これから取り入れる際のご参考にどうぞ。