May 27, 2008

4つの動機付け要因

 ハーツバーグの「動機付け理論」は、皆様におなじみですね。これには、衛生要因と動機付け要因の2パターンがあります。
 衛生要因は「この要因が満たされないと不満を感じるが、満たされたら即、必要要因となって、あって当たり前と感じる要因」と知られています。衛生要因は次の2つ。?環境要因(職場の環境のよさ)?仕事に関する要因(仕事があること、給与が期日に支払われること、昇給や昇進システムが明確、…)
 動機付け要因は、直接やる気に働きかけて、自ら積極的に仕事に取り組む要因です。主なものを4つにまとめることが出来ます。
?専門職や専門能力での進歩、向上?責任や権限が付与されている?仕事のプロセス改善など参画できるシステムがあること?仕事ができたときに承認や評価が適正に与えられること
 自治体職員の皆様にとっては、労働環境の改善は一応形成されていて、さらに飛躍するためには、動機付け要因の充足が課題といった現状ですね。(もちろん、すべての環境要因が満たされているとはいえないケースも多々ありましょうが)
 4つの動機付け要因のなかでも、?の責任と権限…が特に満たされにくいのでは?権限は行使したいが、責任は回避したい、と思っていらっしゃる方はいらっしゃらないでしょうが、どうもこの辺が難しいところ。また、?の専門職や専門能力での進歩や向上は、時に専門職と行政職との軋轢を生んだりしかねません。
 しかしながら、わたくしども市民は、職員の皆様に専門能力と連携・協力や管理能力の両方を期待し続けています。
 人事システムの改革に着手した組織も多いと思いますが、職員の皆様が働きやすく、かつ市民も納得のゆくものが根付くといいですね。
 その面からも、4つの動機付け要因を再考してみてはいかがでしょうか。
 

May 26, 2008

業務改善の効果測定

 5月も今週限りですね。新年度2ヶ月を過ぎて、「業務改善」について取り組み始めているのではありませんか?
 そこで、業務改善の効果を簡便に測定する仕組みについて、考えてみました。
評価項目は?イニシャルコスト?ランニングコスト?改善効果の3点です。
 例えば、窓口業務の改善を目指して、A予約カード発行機設置 B窓口案内係りの配置 、2つの改善を評価してみましょう。
 まず、???の評価ランクと評価点を設定します。(このとき、必要ならばウエイト付けもします)
 想定例?イニシャルコストのランク;10万円まで…評価5点
 50万円まで…評価4点 100万円まで…評価3点 150万円まで…2点 それ以上…評価1点
 ?ランニングコストのランク;(年間)50万円まで…5点
100万円まで…4点 150万円まで…評価3点 200万円まで…2点 それ以上…1点
 ?効果のランク;利用者アンケート平均点による
  利用者アンケート該当項目分を加算
  または、所要時間等短縮が図られれば、平均所用時間1分短縮で評価1点加算、上限は15点までなど

 Aのケース ?イニシャルコスト;1基50万円×3基=150万円で評価点は、2点
 ?ランニングコスト;(年間)メンテナンス、消耗品費、電気料金の合計21万円で、評価点は5点
 ?効果;所要時間告知による利便性向上に対する満足度の平均4.5点  窓口業務の公平性向上に対する満足度の平均4.5点  2件を合算して、効果の評価点9点

 Bのケース?イニシャルコスト;案内係への初期研修費12万円で、評価点4点
 ?ランニングコスト;案内係り臨時職員2名への給与費年間合計170万円で評価点2点
 ?効果;窓口案内満足度平均4点

 AとBを比較すると、Aの合計得点が16点、Bの合計得点が10点となり、A>Bという測定結果がでます。
 他にも、効果測定はさまざまありますが、主に顧客満足度とコストとの関係から拾ってみました。
 ご参考としていただけると嬉しいです。

May 25, 2008

脱皮できない蛇は…

 「脱皮できない蛇は滅びる」ニーチェの言葉だそうです。当家で使用している日めくりカレンダーの本日の欄に紹介されています。大変だ、わたくしは、このところ脱皮どころか、延々と昨日の続きを暮らしているばかりでした…
 昨夜は、10年来つながりをもつ素敵な方々との楽しい飲み会でした。そこには、見事に脱皮し続けているメンバーの姿。触発されて帰宅し、今朝は日めくりカレンダーの箴言で、さらに覚醒!への動機付け要因を拾った気がしました。とりあえず、衣替えの準備からはじめましょうか…など言っているようでは、意味をはきちがえていますね。
 脱皮への手がかりを模索すべく、早速、丸善にでも出掛けましょう。その昔、梶井基次郎も「檸檬」で書いていますが、丸善書店は、今だって知の魔力にあふれた書物が妍を競ってところ狭しと並んでいますし。
 収穫があったなら、またお知らせいたします。
 

May 20, 2008

”笑いの本質”へのヒント

 五月嵐が吹き降り、本日も外は真っ白。月火と、統計の資料づくりに専念しています。高いビルなので、大風に建物全体が揺さぶられているかのよう。打って変わって部屋のなかは、白芍薬と緋牡丹の切花。(芍薬の花は散り際がすごいですね。)芍薬や牡丹は切花で見かけるとつい買ってしまいます。故里の今は廃園のようになってしまった中庭に毎年咲いた緋牡丹を思い出すので…
 さて、今日は、”笑いの本質へのヒント”です。
 ”お笑い番組”やバラエティがTVを席巻して久しいですね。わたくしも結構好きですし。動物は笑わない、ただ人間だけが笑う、と一般にいわれます。諸説あるなかでわたくしは、動物行動学の方々が、「笑いは、恐怖が回避された瞬間にもたらされる」という分析に心惹かれます。
 恐怖と笑いは紙一重、泣きと笑いもそう…恐怖と安心の間一髪、その宙ぶらりんから開放されたとき、その瞬間に人は笑う。大人も子どもも、笑いの背後に恐怖や不安が潜んでいる。不安のもとにある状況から、別の次元へ移行することで、恐怖や不安を解除して、人は笑う、ともいいます。
 以前、わたくしも”不安からの解除”で大笑いして、その場の空気が凍りついた(様な気がする)という苦い経験があります。
 ああ、そうかもしれない…と今更ながら思いました。
 そう考えると、世のお笑いブーム、「不安からの解除」で、視聴率が高いのかしら。
 
 


May 19, 2008

「状況を察する知力」とは…

 すごい霧ですね、外は真っ白。明日に掛けてお天気は荒れそうです、みなさま十分お気をつけて外出なさってくださいね。
 さて、本日付の日経新聞から”指導者のリーダーシップ発揮”には「状況を察する知力」という見出しが目立つ記事をご紹介いたします。
 ハーバード大学教授のジョゼフ・ナイ氏が望ましいリーダーシップのあり方として、1)ソフトパワー2)ハードパワー3)スマートパワーを揚げています。それぞれのポイントは以下の通り。
 1)ソフト・パワー
 ?社会的知性 ・人間関係を円滑に維持する能力、カリスマ性
        ・自己認識力、自己抑制力
 ?コミュニケーション能力
        ・説得力、象徴性、模範となるような言動
        ・近い相手、遠い相手に対する影響力
 ?ビジョン  ・大勢を魅了するような構想の企画力
        ・思考力と実行力のバランス
 2)ハード・パワー
 ?組織運営能力・報奨や情報をうまく使いこなす力
        ・内部集団や外部集団との関係調整能力(直接的・間接的指導力)
 ?策略家としての能力
        ・脅し、買収、交渉を巧みに行う才覚
        ・有利な同盟や協定を締結・維持する能力
 3)スマート・パワー(ソフトとハード各パワーの組み合わせ)
 ?状況判断力(広い意味の政治力)
        ・状況変化を読み取る力
        ・流れに乗る力(ツキを呼び込む力)
        ・状況や部下のニーズに合わせた適応力
  〜以上日経新聞2008年5月19日付け22面より抜粋〜

 ”さすが”というか、”凄い”…と感じたのは、2)の?策略家としての能力ではありませんか?女性の政治家がしばしば躊躇するのは、この部分ではないかな?現実的に受け入れることが出来るか否か?が鍵を握ると思われます。
 状況を察する、とはまず危機の程度把握を徹底し、平時から非常時の備えが前提であるとも言われます。
 「政治の世界だけで通用するもの」とだけ見過ごすのでなく、わたくしたちの日常にもうまく活用したい部分も多いと感じました。