October 31, 2006

東北版行政サービス調査結果は?

 1位由利本荘市(秋田) 2位南相馬市(福島) 3位須賀川市(福島) 4位会津若松市(福島) 5位仙台市(宮城)
 東北では財政状況が厳しく、サービス水準も全国平均を下回る市が全体の7割以上。(東北では、秋田県にかほ市を除く73市から回答)
 1位の由利本荘市は、「子育て環境」「高齢者福祉」の得点が高かった。 2位の南相馬市は、前回調査(2年前)で1位となった旧原町市(福島)が隣接する2つの町と合併して誕生した市。
 ところでサービスの裏付けとなる財政状況は、財政の硬直度をみる経常収支比率(2004年度、合併市は元の市町村の数値の単純平均)が、全市で要注意ラインの80%を上回った。サービス水準でも全体の4分の3は全国平均を下回り、どうやら、この調査は東北の各市にとっては、「いいとこなし」かもしれません。ポートフォリオでも、財政良好エリアに分布された市はなく、高サービス、財政悪化エリアに仙台、福島、山形、秋田、郡山の各市が入っているなど、厳しい状況。
さらに、低サービス、財政悪化エリアには、むつ、塩竃、青森、盛岡、米沢、いわき各市が。(本日付日経35面より抜粋)
 公共料金や高齢者福祉、子育て環境、教育、住宅・インフラなどについての30項目で比較しランキングされたもので、東北の特殊事情(住宅は持ち家、多世代同居による高齢者や子育て環境の差異、など)を考慮すると不利な指標が並んだようにも感じます。しかし、数字は厳に受け止めて、課題としなければ。
 サービスの優先順位による事業見直し、業務効率化、人員削減と委託管理などによる経費縮減、など本腰を入れての取り組みが迫られています。
 本日は、このあと仕事へ出かけ、出張もあり次の更新は11月2日の予定です。また見てください!

October 30, 2006

行政サービス調査から

 日経新聞と日経産業消費研究所が実施した「第5回行政サービス調査」結果が本日付紙面に掲載されています。(日経3面、37面)一部をご紹介いたします。
 全国の779市と東京都23区の公共料金や福祉、教育などの住民向け政策を比べる「行政サービス調査」で、隔年実施。回答率は95.3%。公共料金、高齢者福祉、子育て環境、教育、住宅、インフラの5分野で計30項目を調べ点数化、調査時点は今年4月1日。
 ランキング1位は、千代田区 2位浦安市 2位三鷹市 4位渋谷区 5位荒川区 となり 上位には東京都の市区が多い。首都圏以外では、愛知県豊田市が13位で最高位。千代田区は、高齢者福祉や教育分野での独自政策が手厚い。千葉県浦安市と東京都三鷹市は子育て世代への支援が充実し、公共料金も比較的安い。100位以内では、東京都が36市区、埼玉県20市、大阪府7市とランキングされた。
 主な県庁所在地の財政と高いサービスとのポートフォリオ解析では、仙台市がやや高いサービスで財政警戒ラインに入っており、気になるところです。
 生活コストは、格差を広げ、行政サービスの充実度の差異もあきらかに。でも多くの住民は簡単に住み替えもせず、(したくない、あるいはできない)、行政のやり方を見守るのです。やはり、十分な説明責任は果たさなければならない、と思います。どうして、他より高いのか、不便なのか、について。納得しながら、住民参画で状態を改善してゆくことが求められるとわたくしは思います。みなさまはいかがお考えでしょう?

October 28, 2006

公文書館の設置

 九州、関東、上信越などで市町村に公文書館を準備中のところがでてきているようですね。熊本県宇城市は、昨年1月5つの町が合併し誕生した新市。市長となった阿曽田清氏がアーカイブズの整備を市民に呼びかけたのだそうです。公文書は30年を上限にそれぞれ保存期間があり、期限になれば廃棄。一時は役所内に反発もおきたのですが、文書管理を統括する総務課が検討を開始したのだそうです。全国で公文書館のある市町村は、大阪市、東京都板橋区など18。それも多くは、市町村史を編纂するため旧家から借り集めた古文書保管が目的。しかし、新たに公文書館を設置の場合は、むしろ現代の行政文書が中心。行政責任の根拠として公文書が重要な役割を果たすためといいます。市民の強い要望で設置する栃木県小山市のケースや長野市では市民参加で検討する、などの動きもあります。日本では、公文書館整備は途上国状態で、これからの動きが注目されるそうです。(日経10月28日付け、44面)
 市町村合併で旧庁舎などを転用するなど、さまざまな試みもありますが、わたくしは、2007年以降退職する団塊世代の人材が、公文書管理や保存、内容の整理などに携わるのがいいのではないか、と思ったり致します。NPOでも嘱託でもいいですが。いままでのシルバー人材活用は、草刈や日曜大工、道路清掃など単純作業が多いように思います。公文書の整理や保管は、従来廃棄されていた膨大な文書中から保存すべきものをセレクトし、インデックスを付け、関連資料を網羅する知的なスキルが必要です。まだまだ、年金だよりにせず、しっかりと社会のために貢献してゆくためにも、よいのではないかしら?などと考えました。

October 27, 2006

コンサルタント養成研修OB会

 コンサルタント養成研修という1期3年の長期にわたる実践型研修が、かつて宮城県市町村研修所でありました。2期分6年間実施され、その後諸般の事情でなくなりました。1期目は、自治体の福祉バス運行事業が研究テーマ。政策法務、政策マーケティング、市場調査、提言書作成と3年がかりでの研究。わたくしも、政策マーケティングや市場調査でお手伝いいたしました。その結果、東北ではじめてとなる市民福祉バスが、岩沼市で走りました。(当時の運輸省東北陸運局から成功事例として発表されました)次の3年は、観光による町おこしの研究。里山が魅力的な丸森町が舞台でした。仙台市での街頭アンケート、出身者へのアンケート、東京の市場動向をヒアリングに観光エージェントを訪問したり。住民のかたも加わったチームで観光VTRを作成したり…。研究対象に魅入られてその後も交流を続ける元研修生のかたもいらっしゃいます。それぞれ3年学んだ研修生のかたは、各自治体で益々のご活躍。なかには、職員を卒業し県会議員となったかたや、市の幹部となって、合併や行革の指揮を執っていらしたり。頼もしい限りです。
 その第2期、観光による町おこしプロジェクトのOB会にお誘いの声がかかりました。MSさん、HSさんお電話ありがとうございます!留守にしていて失礼致しました。ぜひ参加させてください!
 コンサルタント養成研修は、実は今こそ、自治体職員にとってもっとも必要な研修かもしれません。細切れにさまざまな知識を齧るより、法務、財務、組織管理、政策形成、CS,成果評価、町おこし、住民参画、業務効率化…体系だてて実践的に組み立て、リスク管理、意思決定して、実施計画、実践…!そして、市場化テストを脅威ではなくチャンスととらえられる職員集団が自治体には絶対必要ですもの!
 (おまけ) 
 3日ぶりに帰宅し、お家ご飯を質素にでもヘルシーに食べました。今夜の夕ご飯メニューです。
?サーモングリル
 生鮭は旬ですね!塩胡椒し、オリーブオイルでこんがりグリルし、シンプルにレモンを絞っていただきました。
?水菜とおかかの胡麻油炒め
 フライパンに胡麻油を熱し、水菜、白胡麻、塩で1分ほどソテーし、仕上げに花鰹をたっぷり。1分30秒で完成。おかかが香ばしくて、塩分はほとんどいらないくらい。どっさり作って、たっぷり食べましょう。
?切り昆布と大豆の煮豆
 昆布は味噌汁のだしをとったあとのものを数日分保存し、細切り。蜂蜜、醤油、切り昆布でことこと大豆を煮てゆけば完成。(水煮大豆を使えば、15分で出来ます)
?若布と葱の定番味噌汁とご飯
?柿とジャスミンティー
 あー美味しかった!
 皆様、楽しい秋の週末をお過ごしくださいませ。
 

October 25, 2006

佐賀県の市場化テスト

 おはようございます。本日から出張し帰りは金曜なので、朝一番の更新です。
 さて、佐賀県では、警察業務、教育委員会の基幹業務、選挙管理委員会などを除き、そのほかの2027業務で市場化テストを導入するとか。政策の立案や公共事業の管理、融資、会計などを含むそう。2007年度から、実際に委託を始める。2007年度から団塊世代を中心に毎年100人以上が退職するが、財政難から新規採用は抑制するので、だそう。官と民が競争入札して、事業の担い手を決めれば、たとえ官が落札しても歳出削減が期待できる。他には和歌山県が来年1月に県庁別館の運営管理業務を対象に始めたり、東京都も求職者向け公共職業訓練で実施予定とか。財務省調査では、一般行政職の地方公務員給与は民間企業に比べ平均21%高く、中でも佐賀県の給与水準格差は、34%と全国2番目。このことが、市場化テストを急ぐ原因。(本日付日経1面及び5面より)
 自治体の政策立案や、事業計画など、わたくしもお手伝いしてきました。市場化テスト歓迎です。ただし、選択基準や入札制度の見直しを急ぐ必要がおおいにあります。業務ごとの最低価格で落札したのでは、特に政策立案分野での品質低下が懸念さあれるからです。公正な価格競争と区別してゆかなければ。プロポーザル方式などで、内容を検討してゆくことが大事です。しかし、その判断を利害関係者が行うのでは、いかがなものか。
 市場化テストの効果的運用は、これからの課題ですね。
 ちょっと、時間切れなので本日は、このまま、外出です。
 金曜に戻り次第、また更新いたしますので、見てくださいね。