September 09, 2011
そうか、もう君はいないのか〜城山三郎著
日中はまだ暑いけれど、風はすっかり初秋です。残暑はまだまだ続くらしいですが、夕方から夜はすっかり過ごしやしくなりました。8月下旬からしばらくは、生まれたての赤ちゃんとそのママと3週間ほど一緒にすごし、その間にお宮参りと記念写真撮影に付き合いました。仙台東照宮は灯篭がほぼすべて倒れ、あちこちにまだ立ち入り禁止のロープが生々しい震災の傷あとを残していましたが、祝詞を聞きながら波乱の年にうまれた幼子の未来の幸せを改めて願いました。記念写真撮影は、生後32日目の赤ちゃんのご機嫌しだいなので本当に大変!撮影者のプロのお仕事に頭が下がります。でもなんとかいい表情での数カットが撮影できて一安心。
また、震災翌日に同居予定、そのあと入籍を予定していた次男たちも嫁の誕生日8月28日に無事入籍し、ふたりで新しい住まいに落ちつきました。式や披露宴はあととなるので、とりあえず記念のお食事会をほんの内輪ですませ、二人のささやかな門出も祝うことができました。
なんだかんだと取り紛れ、あたふたの日々が一段落した今週はなぜか急にのどが痛み、数日声がでなくなり、ちょっと疲れが出たみたいです。そのうえ、昨日は打ち合わせに出かけようと颯爽(とした気分)で階段を降りたのに、きゃあ…一段踏み外し、パンダ目になってしまいました!あーあ、あたしの不注意!応急措置でなんとか、打ち合わせはこなしましたが…。明日は、コンサル2期生の集まり、月曜は打ち合わせ、火曜はただ今受講中の大学夏期講座最終回と人に会う御用はありますのに。眼帯でなんとか、しのがなくては。うーん、もっともっと注意しなくちゃね。
さて、やっとここで、タイトルにある城山三郎氏の最後の著作についてです。昨夜はパンダ目が気になってなんだか眠れず、ちょうど購入してあった新潮文庫のこの作品を一気に読みました。
城山氏の経済小説は実はあまり手にしたこともなかったのですが、この本を読み、これから他のいろんな著作を読んでみようと思っています。
城山氏と夫人の図書館休刊日の偶然の出会いは、オレンジ色がかった明るい赤のワンピースが、「間違って、天から妖精が落ちて来た感じ」と表現されています。その後、紆余曲折を経て、二人は結ばれて、夫人が病により68歳で身罷るまでの愛おしい日々がつづられています。
単行本で出版されたときも大変話題になったようですが、遅ればせながら感激いたしました。あとがきがは、今年亡くなった俳優の児玉清氏です。
明後日で発生以来半年となるこのたびの大震災と大津波では、たくさんの哀しい別れがありました。残ったわたくしたちは、折に触れ、「そうか、もう君(あなた)はいないのか」を実感します。まさにいまが、この本に癒される時期かもしれないな、と思ってご紹介いたします。(新潮文庫362円税別)
18:06:23 |
sandm |
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